INTERVIEW

多彩なラインナップを誇る製薬メーカーの挑戦

第一三共ヘルスケア株式会社

経営企画部 企画グループ 黒田義博 堀内舞

事業領域の広がりとともに高まった模倣品対策

一般医薬品からスキンケア商品まで、多彩なラインナップを誇る医薬品メーカー・第一三共ヘルスケア株式会社。事業領域が広がるにつれて模倣品が増えてきたことを背景に、オンラインモニタリングサービスを導入しているという。同社の模倣品対策を担う経営企画部 企画グループ 黒田 義博さんと堀内舞さんに話を伺った。

幅広い商品を手がける当社において、模倣品が出てくるのは「ミノン」や「トランシーノ」といったスキンケア商品が中心です。製造設備の問題や許認可の必要性から、医薬品は市場参入するハードルが高く、その領域で模倣品が入ってくることは考えにくいという状況がありました。当社自体の事業領域が医薬品以外にも広がり、模倣品対策の重要性も上がっていったというのがオンラインモニタリングサービスの導入に至った背景となります。2019年に導入するまでは、営業から相談があった際に法務が担当するのみ。会社としてはたまたま見つかったからアクションするという場当たり的な対策でした。限られたマンパワーのなかで全部をモニタリングして対応することは不可能とあって、本格的な模倣品対策を始めるあたり、まずは他社さんがどういうことをやっているのか。商標協会の部会に入り情報収集を始めていったのです。

定期的なレポートは重要な指針に

数年前に当社製品と瓜二つのフェイシャルマスクや「トランシーノ」という名前とロゴを使った全く違う商品が中国で流通していたことがありました。営業サイドから模倣品があるとは聞いていましたが、実際に該当する内容を確認すると想像以上に広く流通していて、とても衝撃を受けたことを覚えています。オンラインモニタリングサービスを通じて、さまざまなサイトを全て調査いただいた結果を毎月レポートしていただける安心感は非常に大きなポイントです。各プラットフォームの特徴を把握できるので、どうすべきかという部分までを結果とセットで判断できますし、我々としては何をすべきなのか、その道筋が立てやすく、非常に頼もしさを感じます。また、海外サイトなどの統計は当社として次にどういうアクションを取るべきなのかという販売戦略の基礎資料としても活用してきました。当社のブランドがどういうポテンシャルを持っているのか。模倣品の有無に関わらず、どの国の市場にどれだけ流通しているか、というデータにもなりますので、流通がある=そこに需要があるということ。模倣品とは少し離れますが、そういった部分でもモニタリングサービスの導入は重要な力になっていただいているなと感じます。

模倣品の流通状況を“見える化”

社内でも模倣品対策について、その活動状況を共有する場を設けていますが、社員のマインドが上がっているという声をよく聞きます。これまでは営業サイドから連絡を受けて個別に対応していた形でしたが、我々が模倣品対策で積極的に動いているという姿勢を見せることで、現場にも安心感を持ってもらえているようです。模倣品の流通状況について第三者の目線からこういった診断結果が出ている、と “見える化”できたことも非常に大きいと感じています。2020年にベトナムで模倣品の摘発をした際は、ちょうどベトナムで法改正があったタイミングでした。施行後初めての摘発事例となり、ベトナム政府のホームページに掲載されたことがあります。損害としては大きなものではありませんでしたが、企業としては模倣品摘発をしっかりと行っている会社だとアピール出来たのではないかと思っています。

製造者までを特定できるように

模倣品業者もどんどんレベルが上がり、製造場所を分けたりするなど、非常に巧妙化しています。今は販売会社の摘発止まりですが、今後は製造者の特定のほか、ノウハウや知見、専門性をさらに高めていかなければいけないでしょう。当社が2015年に発売した「クリーンデンタル」という歯周病予防の歯磨き粉が現在、国内のみならず、海外でも注目されるようになってきています。今後はそういったオーラルケアの分野でも対策が急務となっていくはずです。メーカーとしては模倣品が製造されたときにどう識別するか。製造段階から工夫するなどモニタリングサービスに頼るだけでなく、メーカー側として取るべき対応は他にないか、検討していかないといけないとも感じています。

※※「IP FORWARD株式会社」 お客様の声より ※本稿で掲載されている情報は放送時点のものです。記載されている内容は変更の可能性があります。