INTERVIEW

国内最大規模の税理士法人で働く意義とは?

辻・本郷 税理士法人

シニアパートナー 人事本部長 外谷光晴

北は北海道から南は沖縄まで拠点を構え、数万規模の法人・個人を「税務会計」という分野からサポートしている辻・本郷 税理士法人。「私たちのご提案がお客様の会社経営や人生に大きな影響を与える。それが最大のやりがいだと思います」と語ってくれたのは、人事本部長を務める外谷光晴さんだ。現在、新卒・中途採用を継続的に行っているという同法人にて、求める人物像や、入社後に培えるスキル、また現在活躍しているメンバーの特徴・傾向などを詳しく聞いた。

社会課題の解決に惜しみなく向き合う

当法人の事業は、主に二本の柱で構成されています。一つは「法人のお客様向けの税務顧問業務」もう一つは「個人のお客様向けの相続税申告業務」です。加えて、医療・公益法人から地方公共団体まで幅広いお客様を対象に会計・税務業務および関連サービスを提供しています。最大の特徴は、全国に90箇所拠点を構えており、総勢2000名超の社員が活躍している点です。ASEAN地域およびアメリカにも複数の拠点を構え、海外進出や海外在住の方にもサービス提供ができるよう努めています。またグループ会社には各種コンサルティングファームや監査法人、社会保険労務士法人、司法書士法人など、あらゆる専門分野に特化した会社があり、お客様のお悩みに対してトータルソリューションを提供できる環境が整っています。

法人のお客様のうち95%以上は中小企業のお客様です。ゆえに、多くの場合、訪問・打ち合わせで担当者が相対するのは経営層の方、中でもオーナー社長とコミュニケーションをとることが多くなります。つまるところ、私どもの提案がダイレクトにお客様である企業の将来に影響することになるのです。日本の会社の99%超が中小企業であることを考えると、私たちがお客様の税務をはじめとする経営に関するお悩みを解決することは、すなわち経済の活性化や雇用の創出を促すことにつながっていて、この国における社会課題の解決に寄与していると感じられる点は、当法人で仕事をする一番の魅力だと感じています。

お客様を思う心が「ありがとう」に繋がる

また、お客様に感謝していただけることも、この仕事の醍醐味の一つです。「会社の成長に寄与する」ことでお客様から「感謝」をいただくことはイメージしやすいと思いますが、私が過去にお客様対応をした中で最も印象的だった「感謝」は、意外にも会社の解散をご提案したときでした。中小企業のトップには「なにがなんでも会社を続けなければならない」と考えていらっしゃる方が多いのですが、会社のことや社長、社内の方々の人生を考えれば、引き際を見極めなければならない場面も多々あります。私が担当したお客様も、まさにこのケースでした。そこで大変心苦しかったものの、勇気を出して「今ここでストップしなければ、会社も社長の財産もすべてなくなってしまいます」と提言したのです。最終的には、お客様にご理解いただき、会社は解散しました。お客様にとっては大変難しい決断だったと思いますし、解散後、最初はやはり後悔の念もあったようです。しかし、しばらくしてから社長に「あのとき決断してよかった」「本当にありがとう」というお言葉をいただき、心に沁みたのを覚えています。

私どもは「税務会計」という領域で事業を行っていますが、あくまでそれはお客様とお付き合いをする上での入口です。「お客様の人生や会社経営がさらによりよいものになるサポート」がこの仕事の本質であり、真のやりがいなのだと思います。

社員に求められるのは「お客様に寄り添うこと」

一般的に[税務会計の仕事]=[書類作成]と思われている方も多いのですが、その実サービス業の色が強く、いかにお客様の課題を解決できるか、円滑にコミュニケーションする力が求められます。お客様のニーズをきちんとキャッチして、適切なサービス提供していくという点が、当法人に限らずこの業界では非常に重要です。ちなみにこの「税務会計+α」の姿勢は年々重要視されていまして、今後税理士法人として生き残っていくための鍵を握っていると感じています。ですから「資格取得すれば偉い先生になれる」といった心持ちではなく、しっかりとお客様のために尽くせる心を持っている方と是非一緒に働きたいですね。

語弊を恐れず申し上げると、やはり企業・組織で経営責任を担っている方は、どこか強いこだわりをお持ちであったり、厳しい方が多くいらっしゃいます。そこで物怖じせず、定期的に訪問したり、自ら心を開いて相手の懐へ飛び込んだりといったことができるかどうか。お客様から「頼れる」と思われるには、このようなコミュニケーションが不可欠だと感じます。また、当法人は時代に取り残されないようさまざまなチャレンジをすることが多く、社員にとっては「環境が目まぐるしく変化する会社だな」と感じる方も少なくないと思います。近年も、帳簿作成に「AI-OCR」を導入するなど、業務の生産性向上、属人化解消に重きを置いた業務改革を推進してきました。したがって、変化を楽しめる方や成長意欲の強い方であれば、なおご活躍いただけるように思います。

辻・本郷 税理士法人だからこそ形成できるスキル・能力

業務を通じて税務会計の知識が得られるのはもちろんのこと、社長やオーナーの方とお会いする機会が多いため、あらゆる業界の知見や経営層の考え方を伺い知ることができます。それからお客様のニーズにしっかりと寄り添うための傾聴力、洞察力を含むコミュニケーション能力全般も身につきます。また、一般的な会計事務所における仕事はお客様対応がメインになりますが、当法人は全国に拠点を構えているため、ゆくゆくは事務所の所長やエリアを統括する責任者になる等、マネジメントの立場を経験できる点も大きな魅力かと思います。

入社→一人立ち→キャリアアップのステップ

皆さんに一つお伝えしておきたいのは、「国内最大規模の税理士法人だからといって身構える必要はない」ということです。当法人では、常にハードルが高いことばかりをしているわけではありません。また入社後は、皆さんがスムーズに実務に携われたり、部内でコミュニケーションが図れるよう、研修期間を設けています。入社して3ヵ月ほどは、まず最低限の税務会計の知識を修得していただき、その後、入社してから1年くらいの間で、20~30件ほどのお客様を対応していただきます。お客様対応に関しても、最初は先輩に同行し、そこから徐々にメイン担当に移るよう「のりづけ期間」を設けています。安心して業務に取り組めるよう、人事本部としても日々採用・育成方針については見直しを行っておりますし、人事育成計画に沿って、皆さんの能力がよりよい形で育まれるよう社員の希望も考慮した人事異動等も、臨機応変に実施しています。さまざまな環境で刺激を受けられるのも、複数の拠点を構える当法人だからこその魅力だと思います。

異業種出身のメンバーが大活躍している理由

共通している点として、お客様から信頼を得られているメンバーは成長が速いですね。そのためには、お客様のもとへ足を運び、「一体何を求められているのか」と日々寄り添う姿勢が大切です。お客様に心を開いていただいて、ニーズを汲み取る。これこそ、私どもの仕事の最重要ポイントだと思います。なぜならお客様の真のニーズは、実は「税務会計」の枠に留まらないことがほとんどだからです。「会社の成長に繋げたい」「会社を存続させなければ」、そういった潜在ニーズがお客様の真の望みであり、その実現を支援するサービスを提供できるメンバーがどんどん高みへ登っていくのです。裏を返せば、最初からお客様のニーズを汲み取ろうとせず、「税務会計」とりわけ決算書や申告書などの書類作成がメインサービスであると捉えていると、なかなか成長を感じにくいかもしれません。

当法人で活躍しているメンバーには、異業種から転職してきた方も多いのですが、これはつまり「税務会計」という専門分野にとらわれず、柔軟にお客様に寄り添っている人間が成長する、という一つの証左なのではないかと思います。

辻・本郷 税理士法人

シニアパートナー 人事本部長

上智大学を卒業後、2005年に辻・本郷 税理士法人に入社。新宿事務所・渋谷事務所において主に中小企業のお客様を担当し、顧客担当・管理職を経験。その後、渋谷エリアの責任者を経て、現在は、未来戦略室室長・人事本部長を兼任。経営戦略の実行支援や人事制度の策定・運用を行っている。